2002年/アートビートパブリッシャーズ
僕のショルダー・バッグには、いつもポラロイドの写真機が入っている。10年近く「ここではないどこかへ」逃げようとして、荒地を彷徨い続け、ことあるごとに撮ってきたものは、2000枚以上になっていた。ポラロイドは、一定の量を撮った時に、断片を超えたものになるような気がする。それは今見ると、「記憶」や「記録」というより、僕が向かおうとしている道筋の交通標識のような「イメージ・ダイレクトリー」と考えている。これからも、何も考えず、感じることに忠実に、東京を歩いたり、旅をして、ポラロイドを撮ることを続けてゆくだろう。自由になろうとして、世界のエッジを掴みかけた一瞬の光。ポラロイドと旅先での日記を収めた初の写真集。
ポラロイド写真96点、旅日記38ページを収める