前田梨那 Rina Maeda『みんな影になる』
2021年のTOKYO FRONTLINE PHOTO AWARDグランプリ受賞者、前田梨那の初写真集が刊行いたしました。
昨年はアナログでの作業にフォーカスしたアーティスト2組——porriM(稲葉知洋/岩根亮太)、前田梨那——がTOKYO FRONTLINE PHOTO AWARDグランプリを受賞。
前田はアルゼンチンのクエバ・デ・ラス・マノスという無数の手形が壁に残された洞窟を参照し、自身の身体全体を痕跡として残すフォトグラムを発表した2021年の個展「ほしの散らばり」をはじめとして、いずれの作品も暗室での作業をベースとして制作しています。
そこで行われているのは単なる実験的な写真行為というよりも、儀式としてのプロセスそのものが重視された、極めてパフォーマティブで呪術的な試みです。このとき志向されているのは、言うなればクエバ・デ・ラス・マノスが今日まで残り続けたその9000年という時間、そして今から未来への9000年であるように思われるのです。今ここにいる現在が小さな点となって霞んでいく、あまりの途方のない宇宙(コスモ)の中で手を伸ばして交わりを試みるような、強い意志とプリミティブで瑞々しい祈りをご覧いただけるはずです。
7月1日よりFUJIFILM PHOTO SALON Space3で開催されるアートブック展示企画「ARTBOOK INNOVATION」でも現物をご覧いただけます。
前田梨那
1997年神奈川県生まれ。和光大学芸術学部卒業。写真=物体や行為の痕跡を残すものととらえ、型紙や写真乳剤を使い、生きることやその中での役割と関係性をテーマに作品の制作をしている。2021年TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD グランプリ、大山光平賞をW受賞。近年の個展に「ほしの散らばり」(Totem Pole Photo Gallery、東京、2021)「WAG2022 Them」(表参道画廊、東京、2020)など。
Rina Maeda
Born in Kanagawa, Japan in 1997. Graduated from Wako University, Faculty of Art. Maeda approaches photography as something that leaves traces of objects and actions, and uses stencils and photographic emulsions to create works on the theme of life and the roles and relationships within it. In 2021, she received the TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD Grand Prix and the Kohei Oyama Individual Award. Recent solo exhibitions include Constellation at Totem Pole Photo Gallery in Tokyo in 2021 and WAG2022 Them at Omotesando Gallery in Tokyo in 2020.
発行元:アートビートパブリッシャーズ supported by FUJIXEROX
発行日:2022年7月1日発売
サイズ:318×236mm
価 格:3,500円+税
ページ:84ページ
Publisher: artbeat publishers supported by FUJIFILM Business Innovation Corp.
Release date: July 1, 2022
size:318×236mm
Price:3,500yen+tax
Page:84pages